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安全委員会

 

春のボーティングを安全に楽しむために

春のボーティングを安全に楽しむために
 
春は船の所有者にとって、シーズンオフ明けの久しぶりのボーティングとなり、海での救助活動が増える時期です。
 
今日はモータボートとエンジン付きのセイルボートについてお話します。
 
残念ながら、春には多くの救助活動が行われています。救助活動とは、親切な通りがかりの方からの牽引、援助要請を受けたクラブレスキュー、BAN、海上保安庁等によって行われ、救助の原因は単なる準備不足によって起こります。
 
ボーティングでの事故を未然に防ぐ為の方法をご紹介していきましょう!
 
春のボーティングにおけるトラブルのリスクを減らすために、私たち全員ができることは何でしょうか?
トラブルに巻き込まれることなく、ボーティングを楽しむためのいくつかのヒントはこちらです。
 
全てのボートでできる安全を保つための簡単なチェック
キーポイントは”人は船の中。船の外は水。”ということです。
人がもし海に落下してしまえば、水中では陸上にいるときよりも24倍の速さで体温が失われます。
日本の春の海の水温はまだまだ冷たいです。船の外に落ちないよう、細心の注意を払ってください。
 
飲酒状態で海に出ることは非常に危険です
海は、私たちが通常立っている場所ではありません。
そのような場所に飲酒状態で立っていると、簡単に船の外に落ちてしまいます。
あなたが、もしくは船に乗っている誰かがお酒が抜けていない状態であるならば、絶対に海には出ないでください。
 
出発前の天気確認
天気は常に変化します。
そしてあなたの行き先、大体の帰宅予定時刻を家族や友人など身近な誰かに伝えておいてください。
 
救命胴衣
救命胴衣を確認してください。
膨張式のものである場合は、ガスボンベ、そしてそれが錆びていないかをチェックし、船に乗っている人数分の救命胴衣を確実に用意しておいてください。
そして救命胴衣に付いている全てのストラップを強く引っ張り、壊れていないかを確認してください。
 
服装
天気が暖かくなるにつれて、暖かい衣服を用意することを忘れがちになります。
風はまだまだ冷たくなる可能性があります。そしてもし誰かが船の外に転落し、船上に上がってきたときに暖かい乾いた服や、ブランケットが必要になります。
「低体温」は非常に恐ろしく、とても危険な状態です。
救助要請が出る際に、最も多くあげられる理由のひとつが水中への転落時です。
常に安全を第一に船の外に落ちないよう心がけ、暖かい衣服を身に纏い、そして船上にスペースがあれば、乾いた衣服をいれた袋を準備しておいてください。
その日の気温の変化にあわせて着たり脱いだりできるレイヤーが便利です。
 
出発前の燃料レベルチェック
 
インペラーと排水量の確認
インペラーはゴム製で、前回の使用から数カ月あいた状態で使用すると、エンジンを起動した際に脆くなっていて簡単に壊れる可能性があります。インペラーが無いと、あっという間にオーバーヒートが起こります。
 
オイルレベルの確認
 
ファンベルト張力の確認
 
そして、ビルジを清潔に保つことは、冬の間船を使っていなかったことによって出来た新しい漏れを見つけやすくなります。
 
必要最低限の政府規制安全装置の全てが、船上に良好な状態で常備されていることを確認してください。
そして船に乗っている全員に安全装置のある場所、それらの使い方を伝えておいてください。
 
船に乗っている全員が、海上の浮遊物や他のボートの動きを気にかけてください。
海上の浮遊物、または他のボートとの衝突も、海上救助が要請される理由のトップ3の中のひとつです。
お互いに助け合い、安全で楽しいボーティングを心がけましょう。
 
 
安全委員会
 

JSAF推奨のセーフティライン

JSAF推奨のセーフティライン
 
こんにちは。今回はライフラインについて話をしたいと思います。最近のボートではライフラインが使われ、特にレースには必要不可欠なアイテムです。セーフティラインは重要なアイテムにも関わらず、見過ごされがちです。近年、大阪湾ではセーフティラインが破損していたことによる落水事故が複数回起きています。そこで今回は、セーフティラインについて正しく理解し、改めて点検をしてみましょう。
最近は、ビニールでコーティングされたステンレスワイヤー、コーティングなしのステンレスワイヤー、ダイニーマロープと、大きく分けて3つのライフラインがあります。
ビニールでコーティングされたステンレスワイヤー : このタイプのワイヤーは、新品のときは見た目がよく、手や体毛に優しいのが特長です。しかし、水や日差しにさらされると茶色く変色してしまうことがあります。また、安全推進委員としての立場では、ビニールでコーティングされたワイヤーの最大の問題は、ワイヤーのコンディションを確認できないことです。ステンレスワイヤーには様々なクオリティがあり、ビニールで覆われた安いステンレスワイヤーもよく見かけます。この安いステンレスワイヤーはすぐに錆びますが、ビニールで覆われているので錆びているのか錆びていないのか判断がつきません。
ダイニーマ : 最近ではダイニーマロープを設置しているボートもあります。ダイニーマロープはとても軽くて、ステンレスより肌に優しいのが特長です。しかし、このロープは頻繁に取り替えが必要だということがわかりました。頻繁に交換をしないと、日差しで強度が落ちることがあるようです。しかしロープを見ても強度が落ちているのかは判断がつきません。そこでダイニーマロープの場合は毎年交換するのがベストとされています。
コーティングなしのステンレスワイヤー : このワイヤーは一番点検が簡単です。目視で確認してワイヤーのダメージや錆びがすぐにわかります。1点だけ留意していただきたいのは、多くのワイヤーを撚ったハイクオリティのステンレスワイヤーを選ぶこと。例えば「1 x 19 316」と呼ばれるものです。19本以外のコーティングなしステンレスワイヤーにすると髪の毛や腕の毛が絡まるので、乗員には喜ばれません!
セイフティラインを点検するときは、各スウェッジポイントと取り付ける支柱に亀裂や錆びがないかも確認してください。
 

台風対策 ボートをしっかり固定する

台風対策 ボートをしっかり固定する
 
セーリングをされる皆様へ
 
日本でセーリングをする方は、毎年必ず、台風による強風に備えた対策をする必要があります。この文章が皆さんの今年の台風対策について考え始めるきっかけになれば幸いです。
 
マリーナによってはマリーナスタッフがボートの台風対策をしてくれるところもあり、そういった所にボートを保管しているオーナーにとっては良いことです。しかし、たとえスタッフが対策をしてくれるとしても、貴方がするのと同じくらいしっかりとした対策をしてもらえるでしょうか?それは貴方のボートなのですから、誰よりも気にかけなくてはならないのは、所有者である貴方なのです。
 
大抵の場合は、台風対策は私たち自身がするべきことであり、それほど難しいことではありません。
 
どんなボートでも有効なのは、ボート全体を確認し、風で飛びそうなものはしまうか、固定するか、移動することです。ボートに取り付けられていないものは、ほとんど全てです。重い金属のものなら飛ばないということはありません。大きな台風のあとはハンドルやスピンネーカーポール、セールカバー、そしてナットやボルトまでもが風で撒き散らされています。
 
トレーラーに乗せているボートは、ハードスタンドから動かないようにしっかり固定する必要があります。一般的にはハードスタンドの上に停めているボートも海の上に停めているボートと必要なことは同じですが、トレーラーやクレードルも動かないようにしておかなければならないことがさらなる懸念点です。大きなポイントの1つは、特に軽いディンギーの場合は、まずトレーラーを固定し、その上でボートをトレーラーに固定することです。たまにボートとトレーラーの両方にロープを渡しているものがありますが、大きな台風のときはボートとトレーラーの間に隙間ができてしまい、ボートがトレーラーから離れて飛びやすくなってしまいます。まずトレーラーを地面に固定することで、台風でも飛ばされにくくなり、ボートを括りつける強力な土台になります。近年はかなり強い台風が発生しているため、何百ものディンギーがトレーラーから離れて飛ばされていますが、最初にトレーラーを固定したボートは飛ばされずに済んでいます。
 
みんなで安全にセーリングを楽しみましょう。
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